年末から年明けにかけて、実家でぬくぬくと過ごし、テレビを見て過ごしています。年を越すときに見るのは〈おもしろ荘〉。わたしは、ツンツクツン万博とバッチトゥースがハマりました。その後の〈フットンダ〉まで、眠たい目をこすりながら毎年のルーティンを楽しみました。
正月はテレビがあることで、家族みんなでテレビを見て笑ったりして、楽しい時間を過ごすことができます。一方、「テレビで面白いのやってない」というタイミングもあります。「しょうがないからこのチャンネルでいいか」と見たいわけでもない画面を見ていました。
私は、普段暮らしている家にはテレビを置いていません。10年以上前からそうしていて、結婚後の今もです。夫がテレビを持っていましたが、出会って間もなく壊れてしまいました。それを捨ててから、新しいものを買っていません。
わたしがテレビを持つのを辞めたのは、高校の先輩がきっかけでした。
その先輩は、聡明で、人生を楽しもうという意思が強く、いつも〈自分にとって正しい道〉を探している人。周りを思いやるやさしい人でした。音楽が好きで、バンドのボーカルをやっていました。
私が通っていた高校は名の知れた進学校でした。わたしは「大学に進んで、安定した職につくのが私たちの目指すところなんだろう」と思っていました。しかし、その先輩は自分のやりたい音楽をやるために、海外の音大に行きました。そんなマイウェイな生き方に私は憧れました。
ただ、わたしには、本気で目指すことができない世界でした。例えば、絵画とか、ファッションとか、インテリアとか、好き。だけれど、それを職業にする覚悟はありませんでした。稼げなければ自立できない、ずっと親に面倒見てもらうなんてダサいと考えていて、私は好きなことを仕事にしようとは思えませんでした。今思えば、支出を抑えるなりやり方はあると思いますが。私と反対のやりたいことを追い求める先輩。どこか崇高に見えて、とても気になる存在でした。
先輩は本をたくさん読んでいました。そして、家にはテレビがないと言っていました。
「テレビには面白い情報もあるけれど、とらわれてはいけない。もっと面白いことが本にはたくさん載っている。本を読んでいる方が楽しい。本を読んでいる方が学びがある。そして、もっと面白いことが生活の中にたくさんある。だからテレビが欲しいと思わない。」
それを聞いて、わたしもテレビを見ないようにしようと思いました。我ながら、影響受けやすく、素直な人間ですね。
実家のテレビを捨てようと家族に言いましたが、それは断られました。なので、大学生で一人暮らしを始めてから、テレビを持たない生活を始めました。
それから、テレビがなくて困ると思ったことは一度だけありました。
それは、プレイステーションの設定をするとき。なぜかテレビ経由でないと設定ができなくて、パソコン等のモニター上ではできなかったのです。後輩のテレビを借りて設定しました。
あるときは、上司に「地震があったときどうするの?」と言われました。確かに、テレビがなかったら、スムーズな情報収集ができないかもしれないと頭をよぎり不安になりました。実際にはスマホで得られる地震情報はかなり多く(LINEでの通知やSNSでのタイムリーな情報共有など)、最近はニュースがYouTubeでも流れる時代にもなったので、これについてはテレビがなくても問題ないと思います。
テレビがないおかげで、望まない時間を過ごすことが減りました。自分がやりたいことをやる時間を持てるようになりました。
テレビがなかったおかげで、例えば、本業に打ち込むことができたと思います。大学の時は、大学生活や勉学・研究に打ち込めたし、会社員になったら仕事に打ち込むことができました。それぞれ、やり切ったと思えました。
テレビを持っていた場合にどうなっていたかは分からないのですが。広告やらで何か他人に時間を搾取されるような感覚が減った体感はあります。
確かに言えることは、テレビを見ている間はインプットであって、アウトプットできないこと。テレビで流れる映像は、膨大な広告費が投入された魅力的な作品。だから、つい依存するほど見てしまう。アウトプットの時間を確保したいなら、インプットの時間を制限する必要があります。
わたしは結構アウトプットが好きで、何かを作ったり、何かに挑戦したりしている時間はとても充実した気持ちになれます。その時間を大切にしたいです。
そして特に、良くないのは、見たくない広告を見てしまい、時間を無駄にすること。インプットにはなりますが、それが自分のアウトプットにどう影響するかを意識したいです。
昨日見たバラエティのおかげで、今日友人と共通の話題で盛り上がることができたなら、それはいいインプットだったと言えそうです。
テレビを楽しむことを否定したいわけではありません。実際わたしは、ドラマやバラエティ番組をTVerでよく見ています。
ドラマを見て、夫婦の悩みが少し軽くなったというのなら、それもいいインプットだと思います。
実家では、父や母や祖母らと話して、”昔”の話を聞きます。生活様式や価値観は変わっていくものなんですね。今この時も時間は進んでいき、わたしの感覚も古いものになって、もっと若い人はもっと違う考えを持っているはず。
私はテレビを持たないことで、代わりに何を得たんだろう…そんなことを振り返った年明けの1日だったのでした。

自分の行動を自分で選ぶって、実は難しいことらしく。マーケティングの力で、日常の習慣に落とし込まれている商品は数多く、本当に望んでないのにその商品を手にしていたりするんですって。土用の丑の日のウナギなんかが有名ですね。
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