高反発ファイバーマットレスは、およそ10万円〜と比較的お値段が高めです。気になっていても、値段がネックで購入を躊躇してしまう方が多いのではないでしょうか。しかし、人生の3分の1は、睡眠しています。睡眠の質に重要なのはマットレスです。
- 睡眠を妥協したくない
- マットレスにこだわりたい
- 高い買い物なので、後悔したくない
- 違いを理解して、納得して買いたい
というのが切実な願い。わたし自身そうでした。
わたしたち夫婦は、それぞれが持ってきたベッドを並べて寝ていたのですが、よくベッドの間の溝に落ちてしまっていました。落ちずともその窪みが寝返りの邪魔になり、ストレスになっていました。マットレスを使って10年経っていたこともあり、「溝の無い大きなマットレスで寝たいね」という訳で、買い替えに至りました。
悩み抜いた結果、わたしたちが購入したのは、ニトリのNスリープ プラスエア NF003です!
こちらは、高反発ファイバーマットレスに分類されるマットレスです。
長く使えて、洗える、硬めのマットレスがよかったので、ウレタンやコイルマットレスではなく、高反発ファイバーマットレスに的を絞りました。
この記事では、高反発ファイバーマットレスの購入にあたってわたし自身が念入りに調べたことをまとめているので、購入を検討している方の参考になればうれしいです。
比較のために実際に体験したのは、ニトリとエアウィーヴのマットレスになります。他にフランスベッド、ブレインスリープの高反発ファイバーマットレスについても仕様を確認しました。
Contents
こんな人におすすめ
高反発ファイバーは、以下のような人におすすめです。
- どちらかというと硬めのマットレスが好き
- 位置ごとの硬さを調節したい
- 洗えるマットレスがいい
- 蒸れやダニが気になる
- 1つのものを長く使いたい
いつ買うのがいい?
買うタイミングは、買い替えたいそのときがおすすめです。
高反発ファイバーマットレスは、セールなどがほとんどありません。売る側が、ブランド力の維持向上や需要と供給のバランスをうまく計っているのだと思われます。
どちらかというと供給が少し追いつかないくらいのようで、入荷待ち3ヶ月というケースもよくあるようです。
そのため、安くなるのを待って購入というよりは、買い替えたいときに早めに注文する方が、長く待たずに済みます。
高反発ファイバーマットレスとは
透明っぽい繊維がうねうねと張りめぐっている、ウレタンに比べると内部にかなり空気が含まれるマットレスです。
ポリエチレンやポリエステルが原料です。
その特徴から、スポーツ施設、介護用、動物用のマット、アウトドア向けバックパックの背面パッドなどに採用されています。
高反発ファイバーマットレスの代表格はエアウィーヴ。浅田真央さんのCMでご存知の方も多いと思います。
寝心地は硬め、腰痛がよくなるケースが多い
寝心地は、他の素材と比べると硬めと言われています。エアウィーヴとニトリで体験させてもらいました。わたしと夫の意見では、どちらとも身体全体を均一に支えてくれるような、嫌なところが見つからない寝心地でした。寝返りがしやすいです。買い替え前のフランスベッドのコイルスプリングマットレスも硬めだったのですが、高反発ファイバーマットレスはそれと同じか少し柔らかいくらいです。分類としては、高反発ファイバーマットレスは硬めの素材に入ります。腰が沈まないので、腰痛が治った、軽くなったという口コミがたくさん見られます。
硬さのカスタムで更なる体圧分散が可能
エアウィーヴでもニトリでも、自分の身体に合わせて頭、腰、足の3箇所の硬さをカスタムできます。カスタムできるモデルはお値段もその分上がります。
洗えるので衛生的
ウレタンやコイルのマットレスとの大きな違いは洗える点。本体をシャワーで洗えます。カバーももちろん洗えます。
蒸れにくく、カビやダニが発生しにくい
衛生面にも通じるのですが、ファイバーの間を空気がよく通る構造になっているので、蒸れにくいです。そのため、カビやダニが発生しにくい特徴があります。
価格は高め
技術的な価値やブランド力により、価格は高めです。エアウィーヴは115,500円〜。ニトリは99,990円〜。
ウレタンなら1万円台くらいから買えますよね。
エアウィーヴは基本、セールを行わないそうです。それは品質への自信の表れでもありますよね。エアウィーヴのアウトレット店では、モデルを新しくしたことで旧商品を値下げすることはあるとのことでした。
ニトリも店頭で確認したところ、高反発ファイバーマットレスはセール対象外でした。
ウレタンより重くコイルより軽い
それなりに重い。ほとんど空気に見えるので軽そうに思いきや、軽くはないです。確かに、繊維の太さは、織物生地と比べると太いです。シュワシュワの泡が固まったようなウレタンと実は大きく比重が変わらないようです。ニトリのマットレスで比べてみると、シングルサイズではコイルマットレスより若干軽いくらいです。ただし、商品・モデルによって重さは変わります。
- 高反発ファイバーマットレス Nスリープ プラスエア NF003 シングルサイズ 厚さ18cm:約15.5kg
- ポケットコイルマットレス Nスリープ CH2-02 EM シングルサイズ 厚さ17.5cm:約16kg
- ウレタンマットレス 高品質イタリア製マットレス薄型タイプ シングルサイズ 厚さ17cm:約10kg
高反発ファイバーマットレスの比較
エアウィーヴ
エアウィーヴが御殿場アウトレットで2ヶ月限定でオープンしていたので訪問し、店員さんに質問しました。
エアウィーヴは、ポリエチレンのファイバーマットレスがメイン。けれど、「布団で乾燥機をかけられないなんて…」という意見が多かったため、敷き布団においては、新しいモデルをポリエステルに変更しているそうです。ポリエステルは熱硬化性があり、熱に強いため、乾燥機の熱に耐えられる仕様になります。古いモデルのポリエチレンは熱可塑性で熱に弱いため、乾燥機にかけられなかった。そこで、古いポリエチレン製のモデルは30%オフにしているとのことでした。ただし、旧モデルの30%オフは、アウトレット店でのみの取り扱いのようです。
布団以外のマットレスは、ポリエチレンで変わらずです。
エアウィーヴは、名古屋の岡崎市で始まった会社です。科学的な根拠に基づいた寝具の開発で、それまでの産地やデザインでの寝具の高級路線に勝負をかけました。
エアウィーヴは、4年に1度の大きな戦いに挑む自分の身体に誰よりも神経質であろうオリンピアンに注目し、選手の意見をふんだんに取り入れていて、それが製品に反映されているのが特徴です。東京・パリオリンピックの両方で採用されています。
C-CORE(ニトリ Nスリープ)
ちなみに、高反発ファイバーマットレスのC-COREをやっているのは、エアウィーヴ創業者のお兄さんだそうで、創業年を見るとC-COREの方が先です。というわけで、エアウィーヴのマットレスとC-COREは、実は同じものではないそうです。おそらく原料の組成が異なるのかなと思います。C-COREもポリエチレンです。
わたしは、山と道のBreathable Pad(バックパック用背面パッド)でC-COREという素材を知りました。抜群の通気性と背負い心地を売りにしている商品です。背面パッドも持っていますし、それからC-COREのクッションも車の座席や家のリビングソファで使っています。
あくまで個人的な感想と予想ですが、その見た目や寝心地から、エアウィーヴとC-COREは素材として大きな違いはないのではないかと思っています。エアウィーヴの店員さんの「実は同じものではない」という言葉から、そう読み取りました。
C-COREは、ニトリのNスリーププラスエアで採用されています。今回わたしが購入に至ったマットレスです。
E-CORE(ブレインスリープ ピロー)
C-COREと名前が似ていますが、製造販売する会社は異なります。C-COREは愛知県の株式会社シーエンジ。E-COREは大分県の株式会社エコ・ワールドです。エコ・ワールドの方が設立が半年早いようですが、シーエンジの方が創業は先のようです。
E-COREも、ポリエチレンでできています。糸状のポリエチレン樹脂が3次元で編み込んであり、スプリング状の構造になっています。
ブレインスリープのピローにE-COREが採用されています。
PRIMAREX(プリマレックス)というマットレスにも採用されています。(サイズ展開がダブルまでのため、わたしの検討対象外でした)
ブレスエア(ニトリ Nブレス、フランスベッド)
ニトリでマットレスを調べていると、Nブレス プラスエアという敷き布団があります。こちらはC-COREではなく、東洋紡エムシーのブレスエアを採用しています。ブレスエアはポリエステルです。つまり、ニトリも、エアウィーヴと同様、ベッド用マットレスにはポリエチレン(C-CORE)を、敷布団にはポリエステル(ブレスエア)を選択したということです。
エアウィーヴと、東洋紡エムシーのブレスエアとの違いは、リンキング。エアウィーヴは糸が解けないように絡ませるような、型に流すような製法をしているそうです。350度近い温度まで上げた原料を型に流して作られます。柔らかい、標準、硬めという違いは、繊維の太さを変えることで調整しているとのこと。持ち運べるタイプの薄型で、表裏で柔らかさを変えているマットレス(エアウィーヴ ポータブル 02)を作る際には、糸の太さの調整の際に、原料が詰まりやすく、歩留まりが悪いのだとか。そこまで極限を攻めた製品なのです。
ブレスエアは、原料を層の中にただ落としていくだけなので、絡まりが十分でなく、解けやすかったり、反発力が弱かったり、耐久性が劣るなどすると思われると聞きました。
ニトリで実際に寝てみたところ、寝返りを打つとブチブチといった音がして、この音じゃ寝られないなと思いました。エアウィーヴの敷き布団では音は気にならなかったので、リンキングされているかされていないかの違いによるものか?と思いましたが、因果関係があるかは分かりません。
ブレスエアは、フランスベッドにも採用されています。
ブレインスリープ
ピローはE-COREが採用されている一方、マットレスはブレインスリープの独自素材です。独自素材とは言っても、ポリエチレン100%で、ファイバーを3次元に編んでいる構造は、他の高反発ファイバーマットレスの素材と同様です。
公式HPによると、他の高反発ファーバーマットレスとの違いは、身体の部位に応じて繊維の太さを調節したワイヤー状のサポート芯”ワイヤーウェーブ”と、独自の7層構造が体をしっかり支える点とのこと。繊維の太さの調節はエアウィーヴ、ニトリのマットレスでも行われていることなので、そのゾーニング、硬さのグラデーションが、各社の違いの大きな部分であり、自分に合うかどうかのポイントになりそうです。
また、ブレインスリープのマットレスは、脚部が胸元より4cm高く設計されており、血流が胸元に循環しやすくなります。それにより、疲労やむくみなどの軽減が期待できます。
例えば、ブレインスリープ マットレス プラス フロートの肩部分の硬さは、クイーンサイズだと画像のようになっていてます。2人が並んで寝て、各々の身体を想定してグラデーションが組んである訳です。ニトリやエアウィーヴでは、このようなグラデーションは施せません。やるとしたら、2つのマットレスを並べる必要があります。
これら硬さのグラデーション、足元が高いマットレス形状による寝心地にブレインスリープの差別化ポイントと言えそうです。
わたしが購入したのは、Nスリープ プラスエア(C-CORE)
ここまで、高反発ファイバーマットレスの比較調査結果や、実際に寝てみた感想をまとめてみました。
わたしが最終的に購入したのは、C-COREを採用しているNスリープ プラスエア NF003です。
理由は、サイズ展開、寝心地とコスパの良さです。
クイーン以上で畳の上に敷けるマットレスが欲しかったので、厚めのマットレスに絞られました。
寝心地については、エアウィーヴとニトリのNスリープをそれぞれ試しましたが、個人的には差を感じませんでした。ブレインスリープは体験できていません。
エアウィーヴで自分の身体にあったマットレスのカスタム仕様を写真で計測してもらいましたが、わたしも夫も、肩は柔らかめ、腰は普通 or 硬めという一般的な結果でした。多くの人が腰が沈むのを気にされており、腰部分を他の箇所より硬めにするというのが主流です。という訳で、カスタムする必要がないので、カスタムなしのモデルにしました。ニトリもエアウィーヴもカスタムできます。
Nブレスは寝心地が悪かったので、選択肢から外れました。
コスパでいうと、予想通りニトリに軍配が上がりました。
エアウィーヴは
- 165,000円(ベッドマットレス S01、クイーンサイズ幅160cm、厚さ18cm、硬さが均一、自分で組立、3年保証)
- 385,000円(ベッドマットレス S04、クイーンサイズ幅160cm、厚さ25cm、硬さ3段階で6パーツで入れ替え可能(左右で変えられる)、自分で組立、3年保証)
ニトリは
- 139,900円(Nスリープ プラスエア NF003、クイーンサイズ幅170cm、厚さ18cm、腰が硬めで3パーツで入れ替え可能、組立済み、5年保証)
- 159,900円(Nスリープ プラスエア NF004、クイーンサイズ幅170cm、厚さ23cm、硬め3枚普通3枚を上3枚下3枚で入れ替え可能、組立済み、5年保証)
でした。
送料はエアウィーヴが2,750円、ニトリが4,400円〜でした。
わたしは寝心地とコスパでニトリに決めましたが、トップアスリートの声を反映しているエアウィーヴにもその付加価値があると思います。身体の不調をなんとかしたい方にとって、エアウィーヴは、自分の身体に合わせた診断もしてくれます。実際の寝心地を、ぜひ店舗やホテルで体験してみてくださいね。
ブレインスリープは、
- 220,000円(ブレインスリープ マットレス プラス フロート、クイーンサイズ幅160cm、厚さ15cm(脚部19cm)、独自の7層構造、硬さのグラデーション、足元厚み追加、自分で組立、3年保証41,800円、送料無料
でした。
ブレインスリープも、硬さのグラデーションや脚部の高さという特徴があり、ニトリ、エアウィーヴとは違った寝心地になると思います。ブレインスリープは、割引やキャンペーンがある場合があるので、気になる方はチェックしてみるといいと思います。
もし、クイーン以上のベッドフレームを持っていれば、ブレインスリープのマットレスフロート(クイーン132,000円+3年保証25,080円)でもよかったなと思っています。
「スタンフォード式 最高の睡眠」から生まれた『ブレインスリープ マットレス フロート』
わたしは、さらに…ニトリのNスリープ プラスエアのNF003とNF004、どちらにするかでも悩みました。NF004は23cmとさらに厚みがあり、上部の硬さをカスタムできるタイプ。
結果、壁に立てて乾燥させられるように、少しでも軽いNF003を選びました。
休日に、夫婦二人でマットレスを壁に立てかけています。正直、一人だと重たくて、立てかけるのは厳しいです。無理ではないけど大変。そういう訳で、NF003がわたしたちにピッタリでした。
購入後2ヶ月経ちますが、寝返りを打ちやすく、深く眠れています。朝起きたとき気分が良い日が、以前より多くなりました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
今回は高反発ファイバーマットレスについてでした。
大きな出費のため、悩み抜きました。おかげで、高反発マットレスの深い世界を知ることができました。このページが、読んでくれた方のマットレス選択のお役に立てたらうれしいです。